今回は奥浩哉『GANTZ』について解説していきます。「黒い玉の、ネギ星人が出てくるやつでしょ」と記憶している人も多いのではないでしょうか。2011年に嵐の二宮和也さんが主演の実写映画化されて当時大きな話題になりました。特に、女優の夏菜さんの裸体は当時のトピックになってたように記憶します。
そんなエロありグロありのただの18禁アニメと言われても仕方ないような漫画がなぜ社会現象となるまで人気であったのか、その魅力を解説していきます。
概要
GANTZ(ガンツ)は2000年~2013年まで週刊ヤングジャンプで連載されていた漫画です。単行本は全37巻。スピンオフ作品も多いのが特徴です。2004年にはテレビアニメ化され、2011年には実写映画化されています。ジャンルはSF、バトル漫画といったところでしょうか。
ストーリー
ある日、主人公=玄野計は地下鉄で小学生時代の親友=加藤勝を見かける。加藤は酔っ払いのホームレスが線路に落ちたのを助けようと自身も線路まで下り、他に手伝ってくれる人を探すときに玄野を見つけ、玄野は嫌々ながらもホームレス救出を手伝う。しかし、不運なことながら助け出した玄野と加藤は電車に轢かれてしまう。
即死と思われた二人ですが、次の瞬間にはなんと通称ガンツと呼ばれる黒い玉が存在するマンションの一室に転送されていた。そして、ガンツの指示により夜な夜な異星人と戦う日々が始まる。
日常では昼行灯などと馬鹿にされるほど冴えない玄野でしたが、ガンツのミッションによる戦闘に生き甲斐を見出し、そしてどんどんとその才能を発揮していくが、あるミッションで同時に送り出された加藤や他の仲間が全滅してしまうという災難に見舞われる。
玄野はそこから、仲間を増やしミッションをこなし、ようやくガンツから解放されるが、あえなく死んでしまい、再びガンツによって復活させられる。
そして、「カタストロフィ」なる異星人による地球への侵略戦争が始まるが玄野らは奮闘してなんとか地球を守ることに成功する。そして、「真理の部屋」へと転送さてGANTZ誕生の真実や今まで異星人と戦わされていた意味を知る。
他の惑星系が滅んだこと、そして地球が次の移住先として異星人たちが移り住むことなど真実が語られた。GANTZの技術は「真理の部屋」にいる、既に地球の前に異星人によって乗っ取られた生物が地球の人間に伝え、それを元にGANTZが大量に作られ世界中にばら撒かれ、異星人を排除するために戦わされていたことを知る。「カタストロフィ」できた異星人は最後の移住者だった。
そんな真実を知り無事解決のように思えたが、異星人が自爆覚悟で玄野に戦いを挑む。玄野や加藤はなんとか勝利したが、地球への転送が間に合わず、飛行ユニットで帰還するも海に不時着する。ようやく浜辺に漂着したときに玄野と加藤は恋人の小島多恵と弟の歩に抱きかかえられ物語は終わるというハッピーエンドで締めくくられている。
魅力①世界観
ストーリーで語ったようにGANTZの世界観はすごく作り込まれていてどんどんその世界に吸い込まれます。実際、読者は単行本でいうところの最終巻37巻まで、GANTZの真実や異星人と戦っていた理由はわからないわけで、どんな結末なのだろうとワクワクしながら読むしかありませんでした。ですが、この37巻まで読ませるほど世界観が作り込まれていたのだなと読み終えた後に思うはずです。実際、GANTZはスピンオフ作品が多いのですが、それもこういった理由からなのではないでしょうか。
魅力②細かな描写・メカニック
GANTZはとにかく描写がとても細かいです。群衆な悲惨な状況や異星人のキャラクターなどどれだけ書き込んでいるんだというほど細かい描写となっています。
そこに通じる話かもしれませんが、メカもとにかくかっこいいです。スーツや銃などはもちろん、ストーリーの後半には刀やもっと強力な武器が出てきてワクワクします。ハードスーツについては賛否が分かれそうですが、あれもめちゃくちゃ腕力がありそうだなと思わせるスーツです。
こういったこともあり、絵としてもかなり見ごたえがあるのがGANTZという作品です。
魅力③作者の巨乳愛
作者の奥浩哉氏は無類の巨乳好きを公言していますが、魅力的な女キャラクターはもれなく全員巨乳です(笑)そして、単行本での一話一話の区切りの挿絵にはストーリーには関係ない女キャラクターのエッチな絵がたくさん掲載されています。男の子が喜ぶのも無理ないですね。実際、こういったエロ描写が多いのもGANTZが人気になった理由の大きな一つではないのかなと勝手に邪推しています。
執筆後記と謎(暇な人だけ読んでください)
昔、実写化された際に流行ったGANTZを友達に借りて読んでいたが、たしかあと数冊出ていなくて最後まで読み切っていなかったので今回初めてGANTZを最後まで読んでみました。
当時、エロとグロのすごい漫画があると読んでいって、たしかに思春期の私は興奮しながら読んでいましたが、今こうして読み返してみるとエロよりもその世界観やその書き込まれた描写に心躍らされました。37巻もありますが一気に読み通してしまいました。
そんなブームの熱が冷めた今だからこそじっくり読んでほしい作品です。
最後に、物語の伏線ではないですが私自身が疑問に思っていることを2つ書いていきます。特に、答えがないので暇な人だけ読んでください。あと、誰か真相を教えてください。
①地下鉄で事故に巻き込まれる前に話しかけてきたおばあちゃん
西曰く、誰かに話しかけられなかったかといった趣旨から地下鉄で話しかけてきたおばあちゃんはGANTZに転送されるためのトリガーとも思えたが、それについてはその後なんの言及もなく疑問が残っている。玄野が一度、記憶を失い解放されたとき、同じ場面で地下鉄で一緒に戦っていたおっちゃんが話しかけてきたが、物語初めで玄野が部屋に転送されてきたときの西の反応から玄野はガンツのある部屋に転送されたのは初めてであるし、伏線回収かと思いきや違ったという悲しい話で未だに疑問だ。
②黒服星人
玄野の弟アキラが突如、身体の異変や力に目覚めてヴァンパイアだったことを知る。そんな黒服星人編ともいえる話だが、黒服星人も異星人だったのだろうか。そして、そうであるならアキラは初めから異星人だったのだろうか。途中、変なセミナーに案内されて体の組成が変わって~などの説明を受けるがあれが公式の設定だったのだろうか。本物のアキラは…など疑問に思ったことの紹介でした。