後編はじまるよ
前回は第一章、第二章について書いたのでまだ読んでない方はそちらを先に見てもらえれば幸いです。
今日は後半戦、といっても第三章、第四章のまとめというよりは、この本を通じて僕が感じたこと「ホリエモンの哲学性」や「なぜこのタイトルなのか」、「どんな人にこの本を読んでほしいか」について書いていこうと思います。
言葉の洗練さ
突然だが、藤原和博という方をご存じだろうか。
元リクルートで、東京都初の民間校長を務めたりと多彩な人物だが、特に彼のキャリア論については非常におもしろい(おすすめは『藤原和博の必ず食える1%の人になる方法』です。また今度、紹介しますね)。
彼は、「ホリエモンはIT企業の経営者だったが、刑務所の収監を機に、たくさんの本を読み、思考を深めたことで哲学者になった」と主張をしたが、今回はその哲学性が垣間見れる本となっていた。
最近の堀江の本はライターがメルマガや過去の著作から内容をピックアップして作っているようだが、おそらくこの本は対談、というよりは、チャットアプリを使って堀江本人が書いたものと思われる。
その理由は言葉が洗練されていることだ。
堀江のビジネス・孤独・人間関係・メンタルなどに対する考え方は過去の著作に多く記されており今更語るまでもないが、今回はそれらに対する言葉の紡ぎ方が非常に無駄がなく、にもかかわらずとても重みがありとても洗練されていたのだ。
なぜホリエモンは本を出し続けるのか?
月に1冊以上のペースで本を出し続け既にその著書は100冊を優に超えている堀江がなぜずっと本を出し続けるのか疑問だった。
たしかに、ほぼライター任せの出版でコストがかからないから小銭稼ぎ程度にやっているのかなと邪推してた。
もちろんそれもあるのだろうが、今回はそれについて書かれていたので少し長いが引用してみる。
「堀江貴文的な概念が、多くの若者たちへ拡散・継承されていくことを願い、多くのビジネスを進めている。本書のような企画を喜んで引き受けるのも、少しでも明るい未来を願っているからだ。僕や藤田さんの話に何らかの刺激を受けて(反感を持ってくれてもいい)、若者たちが僕らの予想をさらに凌駕する未来を創造してくれれば本望である。」
堀江や藤田に憧れて何かの原動力になっている人は少ないのではないだろうか。
かくいう私も、初めは友人から堀江の本を紹介されてその本を読み漁り、刺激を受けたうちの一人だ。
たしかに、言葉も強く賛否両論あるかもしれないが、それをきっかけに何かの行動を起こすことができたなら、いい意味で、堀江の考えにまんまと乗せられてしまったのだろう。
2人の軌跡
ちなみに内容については前回も話した通り年代別に切り取った二人の軌跡だ。
特に、第三章までは過去の著書でより詳しく語られてるのでさらに詳しく知りたい方は過去の著作を(堀江については『我が闘争』や『ゼロ』、藤田については『渋谷ではたらく社長の告白』や『起業家』がおすすめ)、現在の和牛やロケット、AbemaTVについては第四章を見ていくとよいだろう。
300ページ近くある本書だが、事実を知っている方だと既知のことも多くあるのでスイスイと読み進められるだろう。
そういった事実の話よりも、お互いの話を受けての感想やお互いの事実に対する感情をベースに本書を読み進めていくとおもしろい。
なぜ『心を鍛える』?
おわりにでも語られるが、本書は堀江と藤田の初の共著である。
初の共著でどんなテーマを語るのかといえばまさかの「心」だった。
最初は「なぜメンタルについて語るんだろう?」と思ったがその理由は読み進めていくうちにだんだんとわかってきた。
つまり、何もない田舎から飛び出すのも、一から会社を立ち上げ上場させるのも、刑務所に収監されゼロから再起するのも、赤字を出し続けながらも日本を代表するメディアを作るのも、すべては「心」が大事だということだ。
つまり、生まれた環境や今いる環境が悪くても心次第でどうにでもなるということを本書を伝えたかったのだとわかった。
結局どうやって心を鍛えるの?
本書には心を鍛える方法について、各エピソードとともに、色々なことが書かれている。
他人の批判は気にするなそんなものはコントロールできないのだから、どんなに結果が悪くても環境のせいにするな、心を強くするにはまず体を強くするなど多くのことが書かれているが、最後に二人は心を最も鍛える方法について共通の答えを出している。
それは「誰かの役に立つこと」だ。
まず何から始めていいかわからない人は、どんなに小さくてもいいから、誰かの役に立つことを見つけ、それに尽力する。人が最も心を強くできるときは利他的な目的があるときだ。
2人が同じ結論に達しているのはおもしろいし真理なのであろう。
まずは今日から「誰かのために」役立ってみよう。それはいつか必ず自分に返ってくるはずだから。
最高のライバルそしてパートナー
堀江は最後に、20年以上二人が比べられてきたおかげで今があると語っている。
「若いときから『藤田さんと僕自身の違い』を感じてきたおかげで、僕は僕なりの良さを伸ばすことができた気がする。」
比較というのは時に悪い文脈で語られがちだが、自分の個性ひいては強みを見つけるためには大事なことなのかもしれない。
そういった最高の相手を見つけられた二人は幸運なことだろう。
『心を鍛える』をおすすめの人
最後に本書がどんな人におすすめか書いていく。
・二人の軌跡をざっくりと知りたい人
・ホリエモンの哲学性・言葉の洗練さを感じたい人
・「心を鍛え」て何かに挑戦したい人
こんな人に本書はおすすめだ。
とてもいい本だったので、これからも共著が読みたくなった。
ではでは。