ビジネスマンに「伝達力」は必須のスキル
今回はビジネスに特化した本のご紹介。
鴨頭嘉人『稼げる話術 話し方を変えれば人生激変!』という書籍を解消していく。
伝達力のなさは日常においてはコミュ障で片付けられるが、ことビジネスにおいては伝達力のなさ=仕事ができないと思われてしまうので致命的だ。今回はそんな伝達力を身につけて稼ごうというのが本書の目的だ。
そして、伝達力というと「伝える力」、つまり自分発信の技術と思われるが本質は正反対。
実は、伝達力の本質は「聴く力」にあるのだ。
そして、「聴く」というのは受け身ではなく主体的なアクションなのだ。つまり、体全体で「私はあなたの話を聞いていますよ!」と積極的に伝えることが大事なのだ。
今回は、そんな伝達力=聴く力という前提のもと内容を見ていく。
「自分の願望」だけ伝えるな
伝達力というと自分の思いを伝えようとストレートに伝えることを考えだちだがこれはNGだ。
人は言葉を受け取りやすい状態・受け取りづらい状態があり、それを考えずに自分の思いだけをぶつけても相手には何も伝わらないことがある。
まずは、相手の立場を考えて、そこから思いを伝えるのが大切だ。
頭に浮かんだことをすぐに相手に伝えない。相手に伝わりやすい状態に加工して伝えてあげる。
人はメリットで動く
当たり前だが人間は利己的な生き物だ。自分にとってメリットがないとどれだけ相手からお願いされても動かない。
ことビジネスにおいてはここがシビアで取引先にメリットのない話で商談が成立するわけがない。
そこで商談でのプレゼンの極意3つを挙げると
①顧客へのメリットと評判
当たり前だが顧客へのメリットがないと商談は成立しない。付け加えるなら、他の取引先からの評判、いわゆる「お客様の声」を入れるとそのメリットが間接的に保証されているので成約に至りやすい。
②会社の決済に必要な数字
ここが不明だといくら良い提案だとしても相手はその提案に乗っかれない。言うなれば、ギャンブルで「当たれば10億もらえるよ!」とは聞いているが掛け金がいくらか教えてくてないという状況だ。こんな状態ではどれだけ魅力的でも乗れない。きちんと支払うべきリソースを明確に示す。
③決済者のメリット
最後はその提案を受け入れると決済者がいかに得をするか、このメリットを示すことだ。そしてここが一番重要である。決済者がこのことを経営陣に上げた時に決済者の評価も上がることを織り込んだプレゼンにする。
「決済者のメリットを入れないプレゼンなんてプレゼンじゃない」
これらの意識を持ってプレゼンを組み立てよう。
数値化こそが最重要
商談やプレゼンにおいて相手のメリットを言語化することが大切なのは伝わったであろう。
そして、その時にOKとなる材料が数値化だ。
数値にすると客観的であるし明確だ。逆に数値にしなければ曖昧なものとなってしまいそれは雰囲気はいいけどOKは出せないというものになってしまう。
相手のメリットを言語化する際は数値化することも心がけよう。
人は疑問を解消したくなる
人は疑問が大好きだ。
「50万人」「65%」「−3度」
これらは何の意味もない数値の羅列だが、これを見た人は頭の中で疑問を作ったはずだし、「もしかしてあの話かな?」なんて想像した人もいるだろう。
つまり、プレゼンや講演などにおいて疑問をプレゼントしてあげることは聴く人の「聴き力」を高める上でも非常に効果的だ。聴く人に「疑問」をプレゼントしてあげよう。
セールストークの極意
ここではセールスの型を紹介する。上手なセールスではこれを活用しているため、色んな企業のLPや通販番組に当てはめてみると面白いくらいにこの型の実践例が見られる。
①「問題」を投げかける
そもそも現状に問題がないならば新しい提案を受け入れる事はない。だから、現状に問題を抱かせる、あるいは気づかせるためにまずはその「問題」を投げかけるのだ。
②「解決策」を出す
問題がわかったはいいもののそれを解決できなければ具合が悪い。というか、そもそもこのソリューションを提案するために問題を投げかけたのだから当然に「解決策」を提示する。
③「根拠」を提示する
問題→解決策を順で出して成約したら苦労はないが現実はそんなに甘くはない。きちんとした数字とデータの裏付けがあって初めてその提案は受け入れられるためここではその「根拠」を示す必要がある。また、ここは、メリットを強調するパートでもあるので重要な場面といえる。
④「未来」を語る
いわゆるベネフィットというやつだ。それを手にしたらどんないいことがあるかを語るところだ。メリットとの違いは金銭的な損得ではなくて本質的なところに訴えると言ったところか。例えば、「このカメラを買えば従来のものより綺麗に撮れます。それだけではなく、お孫さんの成長を1枚1枚納めることができるしそれを持ち寄ってみんなで語り合うことで家族の絆が深まります」といったものだ。そんな「未来」を語ろう。
⑤「行動」をうながす
最後のこのステップは意外と重要だ。人は良いとわかっていてもなかなか行動できないものだ。早起きをすると生産性が上がって良いのはわかっていてもできないのと同じだ。そこで、最後には丁寧に次にするべきことを事細かく指示してやる必要がある。「この書類にサインして」なのか「このページから購入して」なのか。とにかく最後の最後まで導線を引いてあげることが優しさだし重要だ。
以上がセールストークの極意だ。話の持っていき方ひとつでセールスの成約率は激変する。ぜひこの型に則ってセールスをしてみよう。
前半はここまで
『稼げる話術』の前半はここまで。
かなりテクニックの話も多かったが段階に分かれているからわかりやすかったのではないだろうか。
次回は後半です。
WABというテクニックについて語ります。
このテクニックを頭に入れているのと入れていないのとでは相手への伝え方が大違いなのでぜひ後半もご覧ください。
(最後に「疑問」をみなさんにプレゼントしてみました。)
後編はこちら