『稼げる話術』後編だよ
今回の記事はYouTube講演家・鴨頭嘉人『稼げる話術 話し方を変えれば人生激変!』の書評の後編です。
まだ、前編を見ていない方はそちらからどうぞ↓
それでは後編行ってみよう!
「恐怖」で動かすビジネススピーチ
タイトルは物騒ですが中身は怖い話じゃありません。
例えば、健康なんかでは「現代人はデスクワークばかりで全く動かないので心肺機能の低下や肥満などが増加し死亡率が・・・」なんて言葉を聞くと心当たりのある人は思わず聞いてしまいますよね、これです。
つまり、「問題」を提起するときに「恐怖」をプレゼントしてあげるのです。デメリットと言い換えても良いかもしれません。
すると、聞き手の「聴き力」は一気に高まります。
ビフォーアフターを念頭に置く
前に「疑問」をプレゼントしたWABの話です。
まず、WABとはW=Who,A=A地点,B=B地点です。
つまり、「誰」に話すのかと、その人が現在いる場所「A地点」、そして話し手である私がその人を連れていきたい最終地点「B地点」を明確にするというフォーマットがこのWABです。
前提として共有しておきたいのが、相手が欲しいものをプレゼントするから、相手もA地点からB地点に行動を起こすということです。ここが非常に大事です。ここを見誤ると相手は行動を起こしません。
例えば、私は隣の喫煙者にタバコを辞めさせたい。副流煙の被害を被っているから。ここで「迷惑だからやめて」ということが根本的な解決になっていないことは前編の記事を読んだ方ならお分かりですね。まだ読んでない方はどうぞ先に読んでください↓
私たちはメリットがないと動かない。だからこそ、相手にメリットを提示しなければなりません。ただ、ここでA地点がわかってない人はミスをします。
「タバコは一箱600円近くして毎日1箱吸うと1万8千円もするよ。タバコを辞めたらそれだけのお金が浮くからタバコを辞めよう」と言ったりします。この話が有効なのはどんな人でしょう?「そんなの全員じゃん」と思った人はまだ解像度が低いですね。
答えは「お金に余裕がない人」です。お金に余裕がある人はこんなことを言われても何とも思いません。
だから、こそWABという考え方が大切なのです。
この場合のA地点は例えば「家族思いな人」かもしれません。そうなったらアプローチの仕方は変わってきますよね?「タバコを吸う人は寿命が約10年縮むらしいですよ。そんな早くに先立たれたら家族はどうなってしまうんでしょうね」こんなことを言われたら真剣に禁煙について考えること間違えなしです。
まとめると、A地点をしっかり定義することが大切です。むしろWhoと言っても良いかもしれません。そのためには相手の話をしっかりと「聴く」ことが大切だし、、鴨頭氏の言葉を借りるなら「相手の『関心』に関心を持つこと」が大切ということです。
メリットを与えるのが大事と言ってもそれは主観的で人それぞれ違うものなので相手の立場になるのが大切です。
緊張させることがオープニングの目的
オープニングで「今日は初めての方もいると思いますが緊張しないでくださいね。まずは体を動かしてリラックスしましょう」というものはよくないということになります。
緊張している=聴き力が高い、ということなのでそんな最高の状態を解いてしまってはもったいないです。
むしろ緊張感が持てるようなオープニングをしてあげることはプレゼントでもあるのです。そのため、強烈なオープニングを用意してあげると良いでしょう。
オープニングはリラックスさせてはいけません。
即興スピーチは最後の一言から考える
つまり、あらかじめクロージング、締めの言葉を明確に言葉にしておくということです。
スピーチの良し悪しはその論理性や奇抜性で評価されるのはもちろんですが、往々にして「雰囲気」が決定要因になることがあります。つまり、最後の締めですね。
「終わりよければすべてよし」ではないですけど、最後がビシッと決まってると全体の印象が非常によくなります。
そのため、即興スピーチでなくても最後の一言から考えるのはかなり良い方法だと思います。
不時着しそうな時に抜く伝家の宝刀
スピーチをしているけど何だか理路整然と話せなくて内容にまとまりがない。聴衆からの反応も良くない。こんな時に一発逆転をする伝家の宝刀はこちら:
「以上です!ありがとうございました!」
これを声を張って笑顔で言うと拍手喝采間違えなしです。
何だそれと思われた方もいると思いますが、やっぱり「雰囲気」はかなり強力です。そして、締めの張り切りがよければ良いほどそれは良く見えます。
騙されたと思って本当にピンチの時は是非やってみてください。
「承認」とは心の報酬
最後に承認の話です。
まず、上司の仕事は部下を承認することです。これを肝に銘じておきましょう。
承認には結果が出たことそれに対してする結果承認やあなたという存在そのものに対してする存在承認など様々なものがありますが兎にも角にも承認してあげることが仕事だという前提としましょう。
そして、承認とは褒めるということではありません。
承認とは日常のコミュニケーションにおいて承認される側が「見てくれている」と感じることです。
特別なシチュエーションで褒めたり怒ったりではなく、日常のコミュニケーションが大切ということ。そして、その土台があるからこそ「褒める」「怒る」といったアクションが効果を発揮するのです。
これは上司部下に限ったことではなく全ての人間関係について言えることです。そしてその基本はやっぱり「聴く」こと。
相手の話を全身で聴く、体をしっかり向けて頷いたりしながら。そして、答えを持った状態で聴かないこと、相手の本音が出るまで口を挟まない。最後に相手の「声にならない声」を聴くこと、相手の背中や仕草から想像すること。これらが「聴く」ということなのだ。
私たちはこうした「聴き力」を高めることで、組織内では「承認」という報酬を与えチーム力を磨き、組織外では「伝達力」を上げて稼げるビジネスパーソンを目指していこう。