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組織で活躍する人必見!『組織の毒薬』後編

サイバーエージェントの社内コラムをピックアップ

今回も日高裕介『組織の毒薬 サイバーエージェント副社長の社員にあてたコラム』の紹介をしていきます。前編をご覧になってない方はまずはそちらからどうぞ。

それでは後編をどうぞ。

「コトに向かう人」が忘れがちなコト

コトに向かう、とは人に向かうのではなく、達成すべき目標=コトに向かうということだが、そんな時に大事なのが「人をまとめる」ということだ。

組織として一つの目標にむかっているとはいえ、それぞれが自分の好きなように目標に向かっては組織として上手く機能しない。そんなときは忘れがちだが、組織のみなをまとめ上げることが大事なのだ。

そして、チームに一体感がないときこそ、「そんな当たり前のこと?」と思われるような前提や基本的なことから確認するといい。

そもそもの目的はなにか、組織のルールは何か、などの基本的な前提がズレている可能性は大いにある。そうしたことの擦り合わせは違和感を感じたら早めにしておきたい。

スタンスを明確にする

チームリーダーとして大切なことは「チームのスタンスを明確にすること」そして「リーダーとしてそのスタンスを徹底して、チームのみんなを巻き込むこと」この2つだ。

まず、チームとしてのスタンスを明確にしないとチームは何を指針にして意思決定をしていいかわからない。だからこそ、スタンスを明確にして言語化することが大切だ。

決めたことを変更するのはいいが、決めていないことは問題ということだ。

そして、チームリーダーはそのスタンスを徹底してみんなを巻き込む必要がある。そうでないと、そのスタンスはただのスローガンとなってしまいいずれ忘れ去られる。

決めた目標やスタンスはリーダーが徹底して周りを巻き込むこと。

正論がなぜダメなのか

正論のダメな点は2つ。

1つは、突っ込みどころがないため無批判に正論を受け入れて「思考停止」してしまうところ。

もう1つは、リーダーが正論を述べるとメンバーが反論しづらくなり議論が深まらないということ。

では、どうしたらいいか。それは、正論を踏まえたうえで、自分たちの立場を考慮して、自分の頭で考えて結論を出すことだ。正論は、ともすれば正しいからこそ結果が出なくても仕方がないと責任を逃れがちだ。

そうではなく、正論に逃げず、自分の頭で考え、責任を背負うことが大切だ。

ひらめきは執念から生まれる

この言葉は日清食品の創業者・安藤百福の言葉だ。

この言葉のポイントは2つで、1つは「新しいヒットにはひらめき必要」というビジネスのリアリティ。もう1つは「ひらめきは、思いつきのようなものではなく、ちょっとやそっとの努力では生まれない」ということ。

大事なのは後半で、「これがだめならあれで、あれがだめなら、、」と施策の手を止めないことだ。

諦めなければ必ず道は開けるし、逆に、執念がないとなにも大きなことは成し遂げられないのだろう。

ひらめきに限らず、執念を持ち続けることは大切だ。

当たり前のように存在してしまっている課題を解決する

問題のない組織はないが問題を抱えたままでもなんとかなってしまうことは意外にも多い。

だが、そのような体制を続けていてはいつか問題が噴出して組織が崩壊する。だから、上手くいっている時こそ問題を洗い出しクリアすることが大切だ。

特に、組織で起こりうるのが個人の頑張りに依存した体制だ。

個人に依存した体制はその人がいなくなったり、体調を崩したりしただけで上手く機能しなくなってしまう非常に脆弱なものだ。だからこそ、そのような体制は早急に解消しなければならない。

そして、組織とは問題を解決したときにより一層強固なものとなるのだ。

毎月の月初会をやめた二つの理由

タイトルは無視してもらっていいがようは無駄な会議をやめた理由というのが内容だ。

仕事は能動的にすることでパフォーマンスが上がるが、組織にいると指示された仕事をすることはもちろんある。

そんなときに「上司に言われたことを全部その通りにやるか」「納得のいかないことは全部説明を求めるか」方法はいずれでもいいが、大切なことは「言い訳のない状態で全力で目の前の仕事をやること」だ。そうでないと、成長も成果も得られない。

この「言い訳のない状態で全力で目の前の仕事をする」ことは本当に大切だと思う。納得感と言ってもいいかもしれない。

この状態を作れるように行動することを心がけよう。

ベンチャー企業とは何か?

ここでは大企業病にかかっている企業の対比としてベンチャー企業を語っているが、面白い点は「少数精鋭」の解釈として、ライフネット生命保険の出口治明氏の「優秀な人を少数集めることではない」むしろ「少数だから精鋭になる」ということだ。

ビジネスではヒト・モノ・カネといったりするが、ベンチャーではそうしたリソースが足りないから一人何役もこなしたり、急速にスキルを身に付けたりしなければならない。

ベンチャーはビジネスのあらゆる局面を少数の人が対応しなければならず、その結果、全体像が把握でき当事者意識が高まるのだ。

そして、リソースがかなり不足している状況が個人や組織を成長させる。

そのため、不足している状態を逆に成長のチャンスと見て乗り越えることは組織で働く個人にとって非常に有意義だ。

リスクは潰しきれない

新しいことを始めるときにできる限り潰せるリスクを排除することは大事だがリスクをゼロにすることに心血を注いではいけない。

大前提としてゼロリスクはあり得ないのだ。

新しいことをしてもリソースが無駄に終わるリスクはあるし、現状維持さえも競合から取り残されるリスクなどがある。

なので、大切なことは「潰せるリスク」「潰せないリスク」を見極め、前者は排除して、そのうえで後者を負ってまでもそれをするかを判断することだ。

大切なことなのでもう一度書くが「ゼロリスクはない」のだ。

サイバーエージェントの組織論

いかがだっただろうか。さすが、ネット黎明期を生き残り、今なお成長を続けるサイバーエージェントの副社長の言葉といったところか。

個人的には「言い訳のない状態で目の前の仕事に全力で取り組む」「ゼロリスクはない」といったあたりが心に響いた。

前編にも書いたが、この本は66のコラムが掲載されているが今回取り上げたのはほんの一部だ。ぜひ、組織で働く人には手に取ってもらいたい。学びになることやハッとさせられることが多い良書だ。サイバーエージェントの組織論をぜひ学んでほしい。